列車のヘッドライト 形が変われば表情も変わる 時代ごとの流行も 今後はどんな顔に?

運転台が上になった代わりにヘッドライトが窓下へ

 長いトンネルを走る地下鉄において、ヘッドライトは重要な機器です。万が一電球が切れたら運行を中止し、速やかに電球を交換しなくてはなりません。このとき電球がふたつあれば、片方が切れても、もう片方を灯せばトンネル内で救援を待たずに最寄り駅まで運転を継続できます。さらに、頭上ではなく窓下にライトがあれば、駅での電球交換も容易です。

 このように営団300形の表情は、地下鉄という環境に適したデザインとしての結果でしたが、そうした実用面での効能とは関係なく、ヘッドライトを窓下に装備するスタイルは、これをきっかけに大流行します。

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営団地下鉄300形は、ライトを窓下に降ろしたデザインで新しい表情を作った(2004年12月、児山 計撮影)。

 国鉄(当時)では、長距離を運転する場合、運転台は高いところにあったほうが運転士の疲労が少ないという研究結果から、また私鉄では、踏切事故の際に乗務員を守るため運転台の位置が高くなり、入れ替わりに、ヘッドライトが頭上から窓下に降りました。「横長の窓と腰部のライト」という表情が、以降の流行となります。

 一方で、関西私鉄を中心に頭上ライトを支持する事業者も少なくありません。市街地で高速運転を行う路線では、遠方からの視認性に勝る頭上ライトが、保安面からも有利だからといわれています。

【写真】駅で電球交換する様子

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コメント

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2件のコメント

  1. 私鉄の車両は運転台が高いというが国鉄がまだあった時代にそんな電車は特殊なものを除けば東武、相鉄、名鉄、山電ぐらいにしかなかったのではないか。

  2. 国鉄211系は周りの枠が角型なだけで、ライト自体は丸型じゃね?