列車のヘッドライト 形が変われば表情も変わる 時代ごとの流行も 今後はどんな顔に?

小さく明るいLEDが普及 車両の表情が豊かに

 しかしほどなく主流はLED(発光ダイオード)にとって代わります。LEDはHIDに比べて寿命が長く、小さな発光素子を複数組み合わせて大きなライトを作る構造から、光量や形状の自由度が飛躍的に高まるメリットがあり、急速に普及しました。

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JR九州のYC1系(右)と821系(左)。LEDライトで形状の自由度が上がった(2018年10月、草町義和撮影)。

 LEDであれば、ヘッドライトの形状は丸や四角にこだわる必要はありません。そのため、JR東日本のE353系やJR九州のYC1系、東武500系などのように、これまでのライトでは考えられなかった形状の車両も登場。鉄道車両のスタイルにさらなる多様性をもたらしました。

 2010年代以降、規格をそろえた標準形の車両が増えるなか、正面形状で企業イメージをアピールする鉄道会社が増えています。LEDの高い配置の自由度は、自社をアピールするには格好の素材です。今後、独自形状のヘッドライトを装備した車両が流行する可能性は十分にあります。

 鉄道車両のヘッドライトは、左右対称であることという決まりはありますが、それ以外の配置については鉄道会社の裁量に任されています。これからもライトの位置や形で、様々な表情の車両が登場することでしょう。

【了】

【写真】駅で電球交換する様子

Writer: 児山 計(鉄道ライター)

出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。

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コメント

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2件のコメント

  1. 私鉄の車両は運転台が高いというが国鉄がまだあった時代にそんな電車は特殊なものを除けば東武、相鉄、名鉄、山電ぐらいにしかなかったのではないか。

  2. 国鉄211系は周りの枠が角型なだけで、ライト自体は丸型じゃね?