タイヤ会社が作りました! 組み立て5分のインスタント飛行機 めちゃ手軽でも売れなかったワケ

「ホームビルド機」と呼ばれる自作の組み立て式飛行機は、第2次世界大戦前の1920年頃からすでにありましたが、それらとはひと味違う組み立て式の飛行機をアメリカのグッドイヤーが1950年代に開発しました。

ところが計画中止 理由は「風船」ゆえ

「インフレートプレーン」の機体はゴムとナイロンメッシュの多層構造で、同じ素材のエアマットを用いた耐弾試験では、最大6発の7.62mm機銃弾を受けてもパンクせず空気圧を保持できることを実証しています。なお、機体を膨らませるにはコンプレッサーを用いて約5分といったところでしたが、もちろん人力の空気入れでも可能でした。

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「インフレートプレーン」の試作機がテスト飛行を終えて着陸するところ(画像:アメリカ国立公文書館/NARA)。

 サイズは、ひとり乗りのGA-468が、全長5.97m、翼幅6.7mで、出力40馬力の2サイクルガソリンエンジンを1基搭載し、最大速度は約116km/h、20ガロン(約76リットル)の燃料で約630km飛ぶことができました。

 またふたり乗りのGA-466も作られ、こちらの方が翼幅は大きく、エンジンも強力なものを搭載していました。

 完成した「インフレートプレーン」を、グッドイヤーはまずアメリカ陸軍に売り込みます。しかしテスト飛行中に墜落したことで売り込みは失敗に終わりました。墜落は主翼の下に張られていた動翼(エルロン)制御用の金属ケーブルが滑車から外れ、その影響で主翼が変形したことによるものでしたが、やはりゴム製ということで、強度的に不安視されたのだと考えられます。

 そののち、グッドイヤーは海兵隊に売り込んだり、降着装置を車輪から水上スキーのような板(スキッド)に交換してアメリカ海軍に売り込んだりもしましたが、どこにも採用されませんでした。

「インフレートプレーン」はテストや売込みのために計12機が製造されるも、結局1973(昭和48)年に計画は打ち切られてしまいます。のちにグッドイヤーは機体のいくつかを、アメリカ各地の航空博物館に寄贈したため、現在では航空科学分野のいち試作品としてその姿を見ることができます。

【了】

【写真】人力でも運べそう? 空気を抜いた「インフレートプレーン」

Writer:

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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