「トイレなさすぎ」圏央道/「すぐトイレいける」東海環状道 SA・PAの数が大違い! 一体なぜ?

ついに9割の区間が開通した「東海環状道」。SA・PAの数も豊富で、関東で似たような役割を持つ「圏央道」とは好対照をなしています。

いうても東海環状道、お店ぜんぜんなくない?

 NEXCO東日本は以前の取材時、圏央道のPAについて「圏央道単体で考えるのではなく、交差する常磐道、東北道などの放射道路におけるSA、PAの位置関係を踏まえて検討した結果、PAのみの配置になりました」と話していました。環状道路を走り通すのではなく、放射道路間を行き来するような利用をメインに想定していたことが、休憩施設の設置間隔にも現れていると考えられます。それでも、たとえば東北道(久喜白岡JCT)-常磐道(つくばJCT)間52.4kmにPAがなく、ようやく内回りのみ坂東PAが開設されるという有様です。

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圏央道外回りで建設中の坂東PA付近(2024年)。内回りはすでに開通しており、併設するハイウェイオアシスに売店もある(乗りものニュース編集部撮影)

 他方、東海環状道のSA・PAにも特徴があります。それは、SA・PA内に商業施設などがほとんどないこと。本巣PAのように、自治体や民間が整備した施設が併設されており、高速道路利用者もそちらを使う想定のところがほとんどです。

 岐阜国道事務所によると、東海環状道の場合は、国が整備するのは最小限の設備で、地域と連携して路外の設備が出来上がっていったといいます。「スマートICもそうですが、SA・PAの設置計画に基づいて市町さんが主体に動かれた」とのこと。そうした設備は地域の拠点になっています。

 一般的に、高速道路のSAには売店・食堂・給油所が、PAには売店が設置されますが、これはあくまで目安であり、採算性や立地、利用状況によって商業施設がないSA・PAも増えています。ちなみにガソリンスタンドは、東海環状道では美濃加茂SA、圏央道では菖蒲PAと、環状道路の北側にそれぞれ1か所があるのみです。

 他方で、東海環状道のように路外の施設と連携するケースも全国的に増えているほか、ETC2.0利用者を対象に高速道路で一時退出して一般道の「道の駅」を利用可能とするような制度も広がっています。

 圏央道も、早い段階で整備された西側区間の厚木、狭山、菖蒲PAはNEXCO中日本や東日本が商業施設を運営していますが、現在、4車線化や未開通部の建設が進む東側区間のPAは、商業施設がありません。前出の坂東PAや、整備中の神崎PAも、路外のハイウェイオアシスや道の駅と連携するタイプです。

【え…!】その差歴然!「東海環状道」と「圏央道」のSA・PA(地図/写真)

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コメント

1件のコメント

  1. 「役人仕事」の典型。

    言われたから仕方無く道路作ってるだけ。

    道路愛、市民愛を欠く、公共事業。

    こういう時は、沿線に林立する倉庫事業者達が一般車のトイレ利用を提供し、下車の追加料金取らないように官民協力してほしい。そういう愛ある日本国であってほしいです。