スイッチバックするのはどんなところ? 山越えする鉄道の歴史 でも平らな都市部にも

令和元年東日本台風で甚大な被害が出た箱根登山鉄道は、スイッチバックしながら運行する路線として知られています。日本国内の鉄道ではほかに、どこでスイッチバックが見られるでしょうか。実は都市部にもあります。

給水だけでない 蒸気機関車は急坂の途中には止まれない

 かつて蒸気機関車が給水をしたスイッチバック駅は、長野県内を走るJR東日本の篠ノ井線(長野市~塩尻市)にもあります。それは姨捨(おばすて)駅(千曲市)で、勾配になった本線のわきに、行き止まりの駅があります。

 たとえば塩尻方面行きの上り列車は、進行方向右手に駅を見ながら、まずは引き上げ線に入ります。そこでスイッチバックして駅へ向かいます。発車する際は再度、進行方向が変わるので、駅で2回目のスイッチバックをしたことになります。長野方面行きの下り列車はこの逆で、駅発車後に引き上げ線を使って2回目のスイッチバックをし、本線に戻ってからは進行方向左手に駅を見ながら次の駅へ向かいます。

Large 20200702 01
姨捨駅のホームとそこから見られる長野盆地の夜景。駅名標の線路はスイッチバックを反映し「Z」形(2016年12月、恵 知仁撮影)。

 なお、駅前後の本線はつながっているので、特急列車など姨捨駅を通過する列車は駅に入ることなく、つまりスイッチバックをすることなく、そのまま通過が可能です。

 姨捨駅は、長野盆地と棚田を一望できることから「日本三大車窓」のひとつになっているほか、近年は豪華寝台列車「TRAIN SUITE 四季島(トランスイートしきしま)」も停車することで有名になりました。

 新潟県上越市内にある、えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの二本木駅も、前述した姨捨駅のような構造のスイッチバック駅です。付近は勾配区間のため、電車など高性能な車両が導入される以前、列車は坂の途中での停止や発車が困難でした。そこで別途、勾配を緩くした線路を設け、そこに駅を設置したのです。

 妙高高原方面行きの上り列車は、進行方向右手に駅を見ながら、一度、引き上げ線へ入ります。そこでスイッチバックし、本線をまたぎながら駅に到着します。駅先は行き止まりのため、ここでもスイッチバックした後、発車し次の駅へ向かいます。

 ちなみに、引き上げ線には「雪囲い」があります。積雪で線路が埋まらないようにする覆いですが、これが1922(大正11)年に建築されたもので、柱には明治末期に製造された国産の古レールを再利用、屋根と壁は木造です。

 雪囲いは2019年、「豪雪地帯に特化した独特な鉄道駅の景観」を形成しているとして、駅舎などともに国の登録有形文化財に登録されました。

【写真】実は「文化財」 スイッチバック時に通る古~い雪囲い

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス