鉄道の現場 駅員の食事事情 いまも見られる食事当番 料理できず親を連れてきた逸話も

グループ会社であるホテルの社員食堂も利用できる

 西武鉄道も基本的には駅に任せているとのことでしたが、12の駅には駅員の食事を作ってくれる「食堂」があるといいます。駅員は朝のうちに食事の予約をしておき、休憩時間に向かうと頼んだメニューができあがっているという仕組み。また西武鉄道らしいのは、西武新宿駅ではグループ会社の西武プリンスホテルと提携しており、ホテルの社員食堂で食事をとることができるそうです。

 最近、仕組みを変えたのが東京メトロです。東京メトロは2019年10月から「オフィスおかん」という、法人向けの宅配型社食サービスを提供する株式会社OKANと提携し、駅事務室内に設置した自動販売機でご飯やお惣菜を販売、駅員は朝食と夕食、好きなものを自由に組み合わせて食事をとることができます(昼食は各自で調達)。食事を用意する手間を削減できるほか、健康にも気を配ったメニューになっているそうです。

 仕事をするうえで元気の源となる食事。しかし、現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外食を控えたり、食事をとる際は距離をあけたり、会話を避けたりと、食事をするにも気苦労が絶えないようです。早く新型コロナウイルスが終息し、駅員がひとときの食事を楽しめるようになることを祈るばかりです。

【了】

【写真】東京駅 社員食堂のメニューはけっこうなボリューム

Writer: 枝久保達也(鉄道ライター・都市交通史研究家)

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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コメント

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2件のコメント

  1. 車庫があるのにコンビニが無いとかね

  2. 10年くらい前までは東京メトロでは、まかないの方が駅に来て調理していた様です。朝、焼き魚の臭いが駅にでしていたいのを覚えています。その頃は駅員さんとまかないのおばちゃんと一緒に買い物しているのをいついも見かけました。そのうち、駅員さんだけで買い物するのを見かけましたが、ここ数年、駅員さんが買い物しているのを見たことがありません。経費削減のため、まかないの方を雇うのをやめたのかもしれませんし、まかないの方を探して雇うのが難しくなったのかもしれません。