ちょろっとどこへ向かう? 首都圏の盲腸線5選 延伸構想 元は軍用線… 様々な生い立ち

鉄道路線のうち、人間の盲腸のように短く、行き止まりとなった路線を「盲腸線」と呼ぶことがあります。首都圏でそれらを探すと、意外な誕生の経緯やその後の変遷が見られました。ここでは5つを紹介します。

京成電鉄 金町線

 金町線は東京都葛飾区の京成高砂駅と京成金町駅を結びます。距離は2.5km、中間に柴又駅があります。

 柴又駅周辺や帝釈天は、国民的映画『男はつらいよ』シリーズの舞台となったところ。柴又駅前には映画の主人公で渥美 清が演じた「寅さん」の像と、その妹で倍賞千恵子が演じた「さくら」の像があります。劇中に柴又駅や京成電車が登場しました。現在もロケ地巡りで訪れる観光客が多く、もっとも国民に親しまれた盲腸線といえそうです。

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『男はつらいよ』シリーズの舞台となった柴又駅前には、「寅さん像」がある(2003年、杉山淳一撮影)。

 盲腸線の多くは本線から分岐する形で建設されます。しかし、金町線は末端の金町~柴又間が帝釈人車鉄道として先に開業していました。6人乗りの客車だったそうです。日本鉄道線(現・JR常磐線)の金町駅から帝釈天へ参詣する人を乗せていました。この路線を買収した会社が京成電鉄です。

 京成電鉄は押上~曲金(現・京成高砂)~柴又間を開業し、買収済みだった柴又~金町間の人車軌道を改修して既存区間に組み込みます。金町線は盲腸線に見える支線ですが、実は京成電鉄のルーツといえる路線です。

【航空写真】軍用路線を整備 こどもの国線の開業前

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