色で見る列車の種別 特急や急行など速いと赤系統? 表示するLEDも進化

3色LEDとフルカラーLED 車両によって表示する色が違う?

 種別を色分けする時、看板などに掲示される案内と列車の種別表示とで色が一致していれば、旅客にも分かりやすい案内ができます。しかし中にはそれらの色が一致しないケースがあります。それは、車両の表示器が「3色LED」で構成されている場合です。

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東武東上線の快速の色は水色だが、3色LEDの表示器を搭載した50000型は水色を表示できないため、緑地に黒文字としている(2015年9月、児山 計撮影)。

 3色LEDは赤色と緑色の発光素子を使い、赤色、緑色、橙色の3色を表現できます。かつて主流だった方向幕に比べ、3色LEDは部品点数や可動部分が少ないため、保守性に優れているのが特徴です。

 しかし消灯を含めても4色しか表現できないため、種別が4つ以上存在する路線では、看板での案内と表示器の色がそろわないケースが生まれました。そのため横浜高速鉄道や近鉄の車両では、行先表示のみ3色LEDを採用し、種別表示は従来の方向幕を使用するといった例もありました。

 現在では青色発光素子が低価格で流通するようになったため、新規導入の際は非常に多くの色を表示できる「フルカラーLED」が主流となりました。とはいえ、3色LED表示器を搭載した車両もまだ多く残っており、列車によって表示される種別の色が異なっている状態の鉄道会社も少なくありません。これはサービス上好ましくないため、3色LEDで登場した車両の表示器をフルカラーLEDに交換している鉄道会社もあります。

 速達輸送は鉄道会社の重要なサービスですが、停車駅の異なる優等列車が増加すると、どの列車に乗れば目的地に早く到着するのかが分かりづらくなります。これからも鉄道会社はさまざまな工夫を凝らして、利用者により分かりやすく告知できる手段を考えていくことでしょう。

【了】

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Writer: 児山 計(鉄道ライター)

出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。

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コメント

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2件のコメント

  1. こんなところまで来てこの表見るのは鉄ヲタしかいないからまぁ大丈夫だと思うけど、京阪の欄見て、「快速特急から普通までこうやって停車駅増えていくんだー」と思ったら大間違い。
    停車駅の少ない順から快速特急<特急<通勤快急=深夜急行<快速急行<急行<通勤準急<準急<区間急行<普通になります。
    本来、設定される想定になってた「通勤急行」(深夜急行の大阪行き版)ができてれば快速急行の下に通勤急行となったでしょうが。

  2. JRがありません。JRも(一部)この通りになっています。

    東京メトロでも赤色の種別を使用しています。
    副都心線:急行
    東西線:快速
    千代田線、半蔵門線、南北線:急行(東京メトロ線内は各駅に停車)

    かつて西武は、通勤急行・通勤準急はそれぞれ急行・準急と同じ赤地・緑地で通勤が白地(現在は黄地・青地)で、快速急行は赤地で快速が水色地(現在は紫地)というツートーンでした。
    西武の停車駅案内は、他の鉄道と違って、有料特急・有料列車も一緒になっているので、急行がオレンジになっています。それに伴って、液晶の行先案内や40000系の急行はオレンジ地です。