「○○丘」駅が東急 小田急 京王に多く、「○○台」駅が東武 京成に多いワケ

自由が丘、関西の雲雀丘・千里丘との大きな違いは?

 自由が丘駅は「丘」ならぬ九品仏川の「谷底」に立地しています。東横線ホームの南端を緑道が横切っていますが、この緑道が旧九品仏川です。谷底の駅に臆面もなく「丘」と名付けた形です。

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東急東横線の自由が丘駅ホーム。下の緑道が旧九品仏川(2019年2月、内田宗治撮影)。

 ただし駅周辺には丘が続いていて、駅利用者の多くは丘の住人です。そのため駅名に丘が付いていても、意外と違和感を抱きません。この命名法は東急(前身)の大発明といえ、その後同社の例では1933(昭和8)年に中丸山駅を緑ヶ丘(現・緑が丘、東京都目黒区)駅に改称したことなどが挙げられます。

 他社では1934(昭和9)年開業の小田急線梅ヶ丘駅(東京都世田谷区)のほか、京王電気軌道(現・京王電鉄)が1937(昭和12)年に関戸駅を聖蹟桜ヶ丘(東京都多摩市)駅に改称するなど、各地で「○○丘」駅が生まれていきます。上記の駅は皆、付近に丘があるものの、駅自体は谷に立地しています。

 東急の発明といえる証左として、関西の例を見ておきます。自由ヶ丘駅誕生以前の1916(大正5)年、箕面有馬電気軌道(現・阪急宝塚本線)に雲雀丘(兵庫県宝塚市、1961年に現・雲雀丘花屋敷駅に統合)が開業しています。ところがその後は「○○丘」駅はなかなか生まれず、1938(昭和13)年開業の信貴生駒電鉄(現・京阪交野線)星ヶ丘駅(大阪府枚方市)、同年開業の東海道線千里丘(同・摂津市)などの登場を待つことになります。そして何よりも雲雀丘駅は、「丘の上」に立地する点が自由ヶ丘駅と異なるのです。

【写真】低地にありながら「〇〇台」を名乗る駅

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コメント

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10件のコメント

  1. 小田急:相武台前、湘南台、五月台〜相武台は移転なった陸軍士官学校に対し昭和天皇が1937年に命名したもの。防諜上の理由で駅が今日の名を名乗るのはもう少しあとだった。

    • ミリタリー系は、あまり詳しく無いですが。そうなると朝霞台は、もしかしたら振武台だった可能性もあるんですかね。

    • 訂正します。
      朝霞台駅開業時もしくは朝霞駅改称で振武台になっていた可能性もあり得えた話何ですかね?

  2. 東急田園都市線には、台の付く駅が多いですね。
    宮崎台、青葉台、すずかけ台

  3. JRにも根岸線に洋光台、港南台、本郷台と台の付く駅があります。

  4. 京王は「台」の方が多いと思います。
    初台、三鷹台、武蔵野台、若葉台、めじろ台。
    「丘」は、富士見ヶ丘、つつじが丘、聖蹟桜ヶ丘。

    • 訂正
      つつじが丘→つつじヶ丘

  5. 京王も東急も〇〇丘よりも〇〇台の方が多いね。
    小田急は〇〇台よりは〇〇丘の方が多いけど〇〇田と〇〇前の方がさらに多い。

  6. 仮にタイトルの通りだとすると、東京都心を基準に、東側か西側かの違いなんじゃないかな?

  7. 台地は「台」、丘陵は「丘」、高度成長期はノリでぐちゃぐちゃって感じかな?
    高度成長期ぐちゃぐちゃの例
    伊勢崎線せんげん台:昔は見渡す限り水田だったところ、千間堀の堀を台に変えちゃった
    田園都市線宮前2駅:宮前と書いて「みやざき」と読ませる地名から宮崎台と宮前平と命名、台と平はただの語呂合わせ